最後にして最良の試合
レギュラーシーズンが終わったら、思い出の試合ベスト3などをネタにエントリーしようともくろんで実はもう選考済みだったのですが、今日のゲームのお陰で全部やり直しですよ。

どんな失敗も不運も、今季のタイガースにとっては全て単なる伏線でしかないことが良くわかりました。


2005年シーズン最終試合。
相手は横浜ベイスターズ。
甲子園球場は昨夜から続く雨で、しかも止む予報ではない。

既にリーグ優勝を決めたタイガースにとって勝っても負けてもどうでもいい消化試合・・・ではなく、今日は一週間前から絶対に勝たなくてはいけない試合だった。
ファンも新聞も当然のように今日はベストメンバーで臨むことを確信してたはずだ。
もちろんJFKだって出てくる。
なぜなら最多勝まであと1勝・下柳が先発だからだ!!

しかし今年の下柳は、ハッキリ言って負ける気がしない。
優勝決めた9/29に、ちょっとでも「負けるかも・・・」などと思っていた人間がいただろうか?
そんなもん、お前、居るわけない。そらそうよ!!
今日も下柳は6回を投げて0~1失点、金本今岡が大量点を華麗に演出、おもむろに登場したJFが完璧に抑えて、Kが多少盛り上げて・・・となるはずだったのだ。

今季の横浜はとにかく引き分けが多い。
特にタイガースと戦うと、決まって消耗戦のすえロースコアの延長にもつれ込む。
ウッズを失い、途中多村までいなくなった打線の微妙な決定力不足と、牛島監督の手腕による投手力の大幅上昇が原因と言われているが、現役時代の成績を調べてみるに、どうも牛島監督本体にとんでもない「引き分け運」があるように思えて仕方ない・・・

雨の中、安定したピッチングを続ける下柳と門倉、先に崩れたのはなんと下柳だった。しかも先頭打者小池に四球を出し、ヒット→四球→タイムリーで2点を失う。
こんなことはあまりなかったので(負けるときはもっと気前良く、パーッと負けてた。)なんとなく不安になる。
案の定、Aクラス死守という、確固たる目標のあるベイスターズはモチベーションも高く、門倉の前にチャンスは作るもののなかなか点が取れないタイガース。中盤に今岡のヒットで1点返し、下柳の降板予定イニングである6回までに鳥谷のソロHRでなんとか追いつくことが精いっぱい。
ああ、15勝は無理なのかな・・・と、思った私は超甘かった。

チームの意志は、「勝てたらいいな」なんてモンじゃなかったのだ!!

代打出ず、下柳続投、大きく沸く甲子園。

下柳はその後、味方が勝ち越すまで、繰り返し何度も何度も3アウトを取り続ける。
サドンデスだ。
1回オーバー、2回オーバー・・・までは何となく予想の範疇だったが、とうとう彼は最終回のマウンドに立った。
今季初の完投ペース。
しかし、勝ち越せない!!
もう、打線がどんなに点を欲しがっているか、下柳に勝ちをつけたがっているか、手に取るようにわかるのだが、どうしても1点が取れない。
もうみんな、優勝したことなんか忘れてるんじゃないかというくらい泥だらけで、真剣だ。
横浜は120球を超えた門倉を諦め、加藤に代える。
それでも点が入らない。
タイガースも諦める、と思ったのだが、やっぱり私は甘かった。

9回ウラ、2アウトから打席に立ったのはやっぱり下柳・・・。


良く考えたら、この試合、下柳に勝ちが付かなかったら、負けても同じことなのだ。
そのためだけに、何でもいいから1つの勝ちが欲しいベイスターズをこんなに困らせているのだ。
あんたら優勝したくせに・・・。


普通、リーグ制覇したチームで、こんな消化試合は観られない。
ザーザー雨降ってるし。
日本シリーズがあるんだから、大事なオッサンたちが怪我なんかしたら大変なのだ。
2-2の延長10回の守備を、祈りながら観ることなんてあり得ないのだ。


シーズン最後のセレモニー、今岡会長の挨拶は今時高校球児だってもっと気の利いたスピーチするだろう、と思うくらい短くシンプルだったけれど、どっちみちもうそんなもんは必要なかった。
陳腐だが、本当に、言葉にする必要は全くなかった。
そこで展開された試合が彼らの全てを表してたし、私達にはお礼を言われる筋合いなどないのだ。

こんな良い物をみせてくれる集団が他にあるとは思えない。


なんとまあ、美しいチームになったことか!!
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by harunok | 2005-10-05 22:27 | タイガース
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